• 『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』PDが語る「最新映像への挑戦」
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2021.06.09

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』PDが語る「最新映像への挑戦」

『閃光のハサウェイ』は様々な試みに溢れた野心作としての属面がある (C)創通・サンライズ

『機動戦士ガンダム』40周年記念作品として制作され、6月11日(金)に全国公開となるガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』。富野由悠季による小説はどのような意図で映像化されたのか? これまでのガンダム作品とは異なる映像制作を行うスタッフはどのように集められたのか? プロデューサーを務めた小形尚弘さんに『閃光のハサウェイ』誕生の経緯を聞いた。

――『閃光のハサウェイ』は小説の印象では映像化が難しいように感じていたのですが、今回の企画はどのように成立していったのでしょうか?

小形 僕自身、中学生の時に観た『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』、その後に読んだ小説の『閃光のハサウェイ』でショックを受けていましたので、以前から「どこかで映像化ができたらいいな」ということは考えていました。実現に向けて大きく動いたきっかけは『機動戦士ガンダムUC』ですね。ファンの皆さんのおかげで大ヒットしたことから「宇宙世紀に対してもう一度スポットライトを当てよう」という流れになったわけです。『UC』の後の時代を描く『機動戦士ガンダムNT』を作ったあと、そこよりさらに未来の『機動戦士ガンダムF91』までの歴史の間を埋める宇宙世紀0105年の物語として設定されていた『閃光のハサウェイ』を制作することは、自然なことだと思えました。
▲新たなガンダムワールドとして選ばれたハサウェイ・ノアの物語。


――映像への没入感が意識された『閃光のハサウェイ』の演出の方向性に関しては、どのように決められていったのでしょうか?

小形 主観に近いカメラワークなどは、監督の村瀬(修功)さんの方針であり、そうした意図から映像設計されたものだと思います。もうちょっとアニメ的な作り方もあったと思いますが、僕らとしては『閃光のハサウェイ』の監督を村瀬さんにお願いした時点で、スタッフィング・映像も含めて、実写的な没入感の高い映像を作る方向に舵を切ったという感じです。

――作品を観て、ガンダム作品として新たなテイストを感じる仕上りになっている、と感じました。

小形 村瀬さんが監督をするとこうなる、ということなんだと思います。制作現場ではかなり新しいことに挑戦しているんですが、最もチャレンジングな試みと言えば作画に関してですね。『UC』『NT』まではキャラクターにしてもモビルスーツにしても手描きがメインで、そこにプラスする形で3DCGを使うという進め方が主流でした。しかし『閃光のハサウェイ』は逆で、全てにわたって3Dメインで構成されていて、必要な箇所でプラス手描きになっています。これまでのような画面作りや映像の目指す方向性をガラリと変えるには、ちょうどいいタイミングだったと思います。
▲3Dメインで生み出された迫力のMSバトル。

――それは「ガンダム40周年記念作品」という部分を意識されたから、ですか?

小形 40周年という冠に対しては特に意識していなかったのですが、「2021年」という時代を意識した作品バランスにしています。現在、『ガンダムビルドリアル』という実写配信ドラマがあり、ハリウッドで実写映画が企画されている。さらに、横浜で実物大ガンダムが動いているわけですから、そうした世の中で見せる最新のガンダム映像という部分は意識しています。
『UC』では手描きのメカクションは、スタッフのアイデアを含めてある程度やり尽くした感じがあるんです。そこから縮小再生産をしていくのかと言われれば、そうではないと思っているので、やはり映像的なアプローチは変えていかなければならない。ガンダム作品を観る人たちが、国内だけでなく、グローバルに広がっていくという考え方をちゃんと持った上で、映像企画をしたというイメージです。

(C)創通・サンライズ

アニメージュプラス編集部