◆変わらない結束力◆——『ダイナ』やスーパーGUTSの「ここはほかのシリーズ作品には負けない!」というポイントは?斉藤 結束力の強さは負けないと思っています。
山田 間違いないね。
加瀬 僕も同じですね。25年経って会っても当時と全然変わらないというか、同じテンションで一緒にいられる。
布川 現場の休み時間がこんな感じだったんですよ。本当にその時から変わらずで。
つるの 脚本家の皆さんが僕らの個性をストーリーに活かしてくれたから、みんな等身大なんですよね。「この役だからこうじゃなきゃいけない」というのがなくて。普段のまま、等身大のままでいられたことがスーパーGUTSの魅力だし、負けないところなのかなと感じます。
——確かに皆さんの雰囲気はまさに『ダイナ』のスーパーGUTSそのままのような印象を受けます。布川 もちろんドラマだからそのままというわけではないですが、個々人のキャラクターを本当に活かしてくれて。一年間放送されていたからこそ、作り手の皆さんも僕らのイメージを取り入れてくれたんじゃないかな。
丈 結束力もそうですが、やっぱり個性ですよ。個性が全く違う役者が集まって、作家や監督も自分の好きな色を出して、それがうまく幕の内弁当みたいに、一つの美味しいお弁当になっている。それがスーパーGUTSであり、『ダイナ』じゃないでしょうか。25年経ってもいまだに連絡を取り合うくらい仲が良いって、なかなかないことだと思います。それぞれの個性が違うから、今日みたいに会ったらすごく楽しいんですよ。
——素晴らしい仲間ですね。山田 私は当時、いろいろな仕事を並行してやっていて、ものすごく忙しかったんです。
布川 当時はイエローキャブの現役グラドルだったもんね。
山田 でも、『ダイナ』の現場は本当に丸裸のままでも、みんなが受け止めてくれるような感覚がありました。役作りとか細かいことを考えなくても助けてくれてね。
丈 それは助けざるを得なかったんだよ(笑)。
山田 あはは(笑)。
丈 でも、このメンバーだからこそだったと思う。
山田 そうそう。誰かが欠けたりしていたら、絶対にこうはなってなかった。当時は忙しくてオンエアを観られなかったんですが、息子が生まれてから一緒に観返したんです。そのときに『ダイナ』は起承転結がハッキリしていて、底抜けに明るくて、脚本がすっごく面白かったと改めて感じたんですよ。息子のハマりっぷりを見ていて、当時の子どもたちにも光をいっぱい与えられたのかなと思いました。だから、今も会う人たちに「『ダイナ』はTDGの中でもダントツで面白かった」と言ってもらえるのかなと。あの空気感は私たちとスタッフさんとでしか作り得なかったものだから、みんなと運命の出会いを果たせたことは財産ですし、出演したことを誇りに思います。
木之元 ダイナの命名シーン、知っているでしょう?
——はい。第2話のダイナミックのダイナ、ダイナマイトのダイナのシーンですよね。山田 あそこって結構アドリブ入ってなかった?
丈 アドリブもあったと思うよ。
山田 そうですよね。「ダサッ」とかボロクソ言われた覚えがある(笑)。劇団とか経験した人たちが集まっていたから、その場でお芝居を作ったり足したりみたいなことがよくあったよね。
丈 あったあった。それを監督が許してくれる空気もあってね。ムチャクチャなことはやっていないから。
山田 それが楽しかった。『ダイナ』はスタッフさんとかも仲が良かったから、ほかの現場に行ったときはピリピリした雰囲気でビックリしました(笑)。みんな合間にお喋りしていなくて。
加瀬 それが普通なんだけどね。
つるの まりやは現場で寝ていたけどね。
丈 忙しくて寝不足だったから。
布川 イエローキャブだったから。
つるの イエローキャブ押しますね(笑)。
山田 スモーク焚かれると眠くなっちゃう(笑)。
木之元 小中(和哉)メイン監督が何かの雑誌か本でね、スーパーGUTSは冒険野郎の集まりにしたいとおっしゃっていたんですよ。前作の『ティガ』が志のA級なら、『ダイナ』は心意気のB級でいたいと。真っ直ぐで庶民的でわかりやすいから、B級という表現を使ったのだと。まさしくその通りの雰囲気になっていて、最高の褒め言葉だと思いました。スーパーGUTSの存在が、『ダイナ』そのものだと思います。
(C)円谷プロ