◆フーマは一番の常識人◆――『タイガ』のアフレコは揃って収録できたのでしょうか?日野 二人揃うときはたまにありましたが、三人全員で収録したことはなかったと思います。
寺島 ヒロユキ(井上祐貴さん)と一緒に録ることはありましたけど、基本は一人ずつでした。アドリブのシーンとか難しかったですよね。
葉山 難しかったです。
日野 収録がバラバラだったからね。
――トライスクワッドは男子学生のような雰囲気が印象的です。三人の関係性を表現するうえで大切にしたことはありますか?寺島 台本に書かれている言葉遣いなどから三人の関係値が自然と自分の中に入ってきたので、特別に意識しないで演じていました。
日野 僕も第1話で関係性が見えていて、三人の関係というよりはお互いの個性をどう活かして表現できるかを考えていました。特にタイタスは筋肉ポーズの掛け声とか、妙なアドリブを求められることも多くて(笑)。
葉山 みんなそれぞれひとネタ持っていますよね。
寺島 ひとネタね(笑)。タイタスはそもそもマッチョとか筋肉の概念がウルトラマンにあったことが面白かったです。
日野 どの話だったか記憶が定かじゃないんですが、とある格闘ゲームのキャラの雰囲気を出してほしいと監督からディレクションを受けたんですよ。そのあたりからタイタスが面白キャラ化していった気がします(笑)。
葉山 最初はどっしり構えていたのに(笑)。僕は『トライスクワッド ボイスドラマ』みたいに三人だけの場面だとツッコミ担当だったので、掛け合いのテンポ感は大切にしていました。
――タイガとタイタスが天然っぽくて、ガラの悪かったフーマがいつの間にか常識人になっていた感じがあります。寺島 一番常識的なのはフーマでしょうね。タイガはお坊ちゃんで、タイタスは知識と筋肉に全振りですから。
日野 口は悪いけどね。一人だけものの見方が違うというか。
寺島 第一印象が不良なのに良いやつ、ってポジションも美味しい。
葉山 美味しいところをいただきました(笑)。
――ボイスドラマで印象に残っていることはありますか?寺島 ストーリーの中でタイガの個性や過去が掘り下げられていって、「そんなことがあったんだ!」と僕もファンの方々と同じ目線で楽しんでいましたね。血筋のこともあって、タイガは背負っているものが具体的に描きやすかったように台本を読んでいて感じました。
日野 タイタスは重い生い立ちがあったことが印象的で。過去にさまざまなことを経験して今のタイタスが在るのだと、ボイスドラマの収録後は演じるうえで考えるようになりました。
――タイタスは淡いラブロマンスみたいなものもありましたね。日野 そうですね。
寺島 しかも乙女心に関しては無知な部分もあって。
日野 そうそう(笑)。ともすれば脳筋な面白ウルトラマンになりそうなところを、ボイスドラマで人物像が掘り下げられて、より愛おしく感じてもらえたのではないかなと。
――フーマもタイタスとは別ベクトルに過酷な過去の持ち主だと明かされました。葉山 師匠との話はウルトラマンになることの大変さを感じました。別の話ではほっこりするような優しい部分も描かれていて、フーマのいろいろな一面を演じることができてとても楽しかったです。あと超獣の知識を披露する話(第20回)も、「名前そのまんまだな」ってツッコミを入れたりしたことが印象的で。三人が和気あいあいとお喋りしている空気感は、ボイスドラマならではですよね。
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