──収録されている楽曲について解説をお願いします。1曲目の『75_AM6:30』では、なんと岬さんの寝息を聴くことができます。
岬 寝息とハミングからなるとても短い曲なのですが、11曲目の『75_PM11:30』と合わせて私の中では新しすぎる挑戦となりました。アルバムにより深く没入していだくためのポイントとなる曲ですね。かなり恥ずかしかったのですが、イヤホンで聴いていただくと、より寝息を近くに感じてもらえると思います(笑)。
──『morning morning』はアルバムのテーマになっている「一日」の朝を表現している曲ですね。
岬 イントロから徐々に目覚めて、ギアがかかっていく曲になっています。疾走感のある曲調で、聴き終わったらめちゃくちゃ気合いが入るはず。ぜひ朝の寝起きだけでなく、気合いを入れたい時に聴いていただければと思います。
──3曲目は、最初にMVとして先行配信された『ソラトレイト』です。
岬 皆さんには一番馴染みのある曲になっているんじゃないかな? 私にとっての自己紹介ソングだと思っていますので、改めてアルバムを通して皆さんに寄り添いたいという気持ちが、この楽曲で伝わったらいいなと思います。
私は元々渡辺さんのバンドのsajou no hanaが大好きだったので、楽曲を作ってくださるとお聞きした時は「本当にいいんですか?」って。リスペクトを込めに込めながら歌わせていただきました。
──『ワタシFLAVOR』は、岬さんが料理を作っている姿が想像できる曲ですね。
岬 とてもテンポが緩やかで、穏やかな可愛らしい楽曲ですよね。ちょっと恥ずかしくなるような、可愛い言葉で綴られたお料理ソングになっています。楽しくお料理をしている姿を思い描いていただけたら嬉しいかも。一緒に歌えるような曲になっていますので、早くライブで皆さんと声を合わせて歌いたいなって思いました。
──続いて、心がほっこりするような『街角カレイドスコープ』。昼食後にゆっくり午後を過ごしているイメージでしょうか。
岬 そうなんです、ここからほっこりな曲が続きます。ふとした時にスッと耳に入ってくるような、馴染みやすいメロディですよね。実際に皆さんが何気なく街歩いたりする時に、ぜひとも聴いていただけたらと思います。
──『あいらぶゅー』は先行配信されたMV第二弾の曲となります。
岬 有華さんの作詞・作曲による、すごくキャッチーで心に残る曲だなと思いました。私と皆さんが進んでいく時間を表現しているようにも感じられますし、何気なく過ごしているけれど、かけがえのない日常の一瞬一瞬を大事にしつつ、今しか見られない景色を私と皆さんで心にちょっとずつ刻んでいくことができたら、という思いを込めて歌いました。
──『群青セツナ』は澄んだ美しさを感じさせますね。
岬 私の中では「雫」のイメージが思い浮かびました。すごく静かに始まって、サビはすごく盛り上がって最後に突然消え入るように終わってしまう、そんな雫のような儚さがこの曲には詰められているなって。レコーディングには切なさだけでなく、強い気持ちを抱きつつ挑ませていただきました。
──そこから、伝説的ボカロPであるナノウさんが作詞・作曲・編曲を担当した『HURRAY!』へ。
岬 楽曲をいただいた段階から、自己投影してしまった曲です。収録では、私の中の葛藤みたいなものが強く表れたのか、歌声が自分でも思いもよらないような叫び声になっていくような気がして……力が入りすぎてしまいました。
誰にも理解されない内なる苦しみを乗り越えていこうという、私からのエールでもあるし、思わずあふれてしまった思いを歌った曲になったなと思います。
──次は一転して、ダンスナンバーの『Dancing! Singing! Feeling!』。パーティーを開いて、楽しく夜を過ごしている雰囲気を感じます。
岬 私自身もノリと勢いにまかせて歌いました(笑)。考えることも悩むことも、生きていく中ですごく大事だと思うんですけれど、何も考えないで音楽に身を任せる瞬間も絶対必要。なので、皆さんもこの曲は何も考えず、横に縦に揺れながら聴いていただけたら嬉しいですね。