【どんなストーリー?】
火災で母を亡くした少年・牧眞人(まき・まひと)は、戦争が始まって4年目、父と共に東京を離れ、地方の大きな屋敷へと移住する。
そこで眞人は父と再婚した「母の妹」と出会い、また屋敷にひんぱんに飛来する謎のアオサギ・屋敷内にある廃墟の塔を意識するようになる。それらはやがて、眞人を未知の世界へと誘うこととなり……。
【どんなキャラクターと出会える?】眞人は母を失った傷が癒えないのか、当初は笑顔を見せず「暗い少年」という印象を与えるが、ストーリーが進行していく中で自分の意志を決して曲げない真っ直ぐな少年であることが見えてくる。まさに主人公にふさわしいキャラクターだ。
裕福な眞人の父と再婚相手、さらに屋敷に住む7人の老婆たちといった、眞人の周りに集う人々もみな個性的で愛嬌たっぷりだ。
さらに宮﨑監督作品らしいといえば、眞人が異世界を旅する中で出会う美しいヒロインたち。グイグイと眞人を引っ張っていく逞しさと勇敢さが印象的な彼女たちの活躍は、ぜひチェックしてもらいたい。
【本作に「不思議な生き物たち」は登場する?】『となりのトトロ』ではネコバスやススワタリ、『もののけ姫』のコダマ、『千と千尋の神隠し』のカオナシや神々など、数々の魅力的な「異形」を生み出した宮﨑監督。それだけに、本作にもそんな見どころを期待している人も多いのではないだろうか。
唯一解禁されたポスターに描かれていたのが、先に紹介したアオサギだ。普通の鳥かと思いきや、物語が進むにつれて、徐々にその素性が明かされていくことに。まさに本作のトリックスター的存在で、眞人との間に展開する奇妙な関係は本作のポイントのひとつになっている。
また眞人が入り込む異世界では、まさに多種多様な生き物が登場する。あるものは可愛く、あるものは不気味そのもの。強烈なインパクトを持つそれらのキャラクターは、今後大きな反響を呼びそうだ。
【そのほかの見どころは?】本作には作画監督を務めた本田雄を筆頭に、これまでのジブリ/宮﨑作品で活躍してきた人や他のTVや劇場の人気作・注目作で注目された人など、新鋭からベテランまで超一流のアニメーターたちが原画で参加。細やかなな感情芝居からダイナミックで時に荒々しいアクションまで、見事に描写されている。
また異世界の描写も大きな注目ポイントだ。激しく波打つ海、深く茂った森、石や岩に鬱蒼と絡みつく植物、異国情緒やノスタルジーを感じさせる建物……和洋を取り混ぜた多彩な風景は、これまでの宮﨑作品で描かれてきた場面をどことなく思い起こさせる部分も。
ここまで読んでまだ『君たちはどう生きるか』に関する「?」がある人は、ぜひ劇場にまで足を運んでもらいたい。
なぜなら、それはあなたが既に本作の虜になった証拠であり、すべての答えはきっと、スクリーンの中にあるのだから。
>>>『君たちは~』を完成させた宮﨑駿監督の近況を報告する鈴木敏夫プロデューサー(写真16点)(C)2023 Studio Ghibli