• 【ジブリ美術館】「君たちはどう生きるか」展で宮﨑駿の想像力を目で味わう
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2023.11.18

【ジブリ美術館】「君たちはどう生きるか」展で宮﨑駿の想像力を目で味わう

宮﨑駿監督によるイメージボード (C)2023 Studio Ghibli


三鷹の森ジブリ美術館の企画展示は、これまで迷路のようなレイアウトとジオラマ・立体物などもまじえた様々な遊びや趣向を凝らした内容が特徴だった。
しかし、繰り返しになるようだが今回の展示は「イメージボードそのものを見せる」ということに集中した、きわめてシンプルな内容となっている。二つに仕切られている企画展示室のスペースがすっきり見渡せるのは、おそらく開館以来の出来事ではないだろうか。
しかし、シンプルがゆえにイラストそれぞれの筆致や色彩が鮮烈に目に飛び込んでくる。まさに「美術館らしい」という言葉を裏付ける展示スタイルだ。

イメージボードとは、構想段階に作品のイメージを固めるため、登場人物や建物、舞台設定などを考えるために描かれるもの。『君たちはどう生きるか』のイメージボードは、そのすべてが宮﨑駿監督の手によるもので、本展示ではそのほぼすべてが展示されている。
スタジオ内で長く資料として掲示されているものは、退色したり、煙草の煙によって燻されてしまって黄ばんだものもある。そんな1枚1枚の絵から、映画を生み出す想像力やスタジオの熱気を感じ取れるはずだ。
また展示イラストには最小限のテキストが添えられているだけで、映画やイラストに関する具体的な内容には触れられていない。これはまだ映画が公開中であり、スタッフ内でも消化しきれていない状態の中で、第三者による説明は避けるべきだという判断からだそうだ。

三鷹の森ジブリ美術館の展示物でおなじみの、7~10枚のガラスに描かれた絵を重ね並べて箱の中」に奥行きを生み出す「パノラマボックス」の新作「黄金の門」も登場。宮﨑駿監督自らが描き下ろし制作されたもので、ぜひ現物でそのビジュアルの楽しさを味わってもらいたい。

第一部「イメージボード編」は、2024年5月まで開催予定。以後、展示は第二部「レイアウト編」(2024年5月~予定)、第三部「背景美術編」(2024年11月~予定)と続いていく。
純粋に絵と向き合い、宮﨑駿監督のイマジネーションの源に触れる――ジブリファンならずとも注目すべき貴重な機会をどうぞお見逃しなく。

>>>宮﨑駿が描く世界に浸る「君たちはどう生きるか」展の展示内容を見る(写真20点)

(C)2023 Studio Ghibli

アニメージュプラス編集部

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